一般社団法人でのクリニック開設のデメリット

昨今、クリニックの法人成りの手段として、医療法人ではなく一般社団法人での診療所開設を検討される方が増えています。医療法人と異なり、報告義務や認可申請の必要がないなどの多くのメリットがある反面、思わぬデメリットも存在します。

開設できるかが保健所次第

一番のデメリットは一般社団法人でのクリニック開設が認められるかどうかは保健所次第というところでしょう。特に分院を設立する際など、隣県での申請の場合には注意です。一般社団法人でのクリニック開設に慣れていない保健所や前例のない保健所も存在するため、開設が認められないといったことも想定されます。また都市部であったとしても、過去には、素人が読むような一般社団法人の市販本を読みながら対応するような保健所担当者もいて呆れた経験があります。

非営利性要件として、役員の親族割合が1/3以下

次に大きなデメリットと言えるのが役員の親族割合の条件です。

一般社団法人でのクリニック開設は非営利性を求められます。その非営利性の条件として、理事の親族割合が1/3以下といった条件があります。これでは、過半数の多数決の意思決定を行う一般社団法人において、不本意に解任をされてしまういわゆる乗っ取りのリスクが存在すると言えます。

それでもメリットも大きい

それでも一般社団法人でのクリニック開設のメリットは大きいと言えます。将来を見据え、医療法人・一般社団法人のどちらを選ぶか、ぜひ一度行政書士法人Deeにご相談ください。お役に立てるよう、各側面からのメリットデメリットを丁寧にご説明いたします。

この記事を書いた人

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道原 信治(行政書士)

山口県宇部市出身、1986年生まれ。
公務員として勤務を経たのち、クリニック・病院特化のコンサルティング会社に参画。
その後、医療法人設立・分院開設など医療法人手続きを専門とする行政書士法人を設立、代表に就任。
現在では周辺分野である薬局開設・医薬品・医療機器などの許認可業務や、弁護士・会計士との提携のもとクリニックの事業承継・M&Aなどの分野にも活動の幅を広げている。