法人が開設した薬局を事業承継(M&A)した場合の手続について【開設者変更】

開設済の法人が開設者である薬局を事業承継する場合、開設者変更の手続きが必要です。これは少し勝手が異なるものとなりますので、各所の注意点を留意した上でしっかりとした段取りを行う必要があります。

開設手続きについて

一般的には、既存薬局の廃業手続+新規法人を開設者とした薬局開設手続きが必要となります。また、管理薬剤師又は在籍薬剤師等が新規法人を開設者とした薬局においても継続勤務を行う場合、既存薬局の廃業日と新規法人を開設者とした薬局開設日を連続した日にすることによって、保険薬局指定申請の遡及が可能になり、保険の切れ目なく営業が可能です。

保健所での事前相談は必須

開設する法人が変わるだけでも、新規開設には変わりがないので保健所の立ち入り検査が入ります。加えて、保険薬局指定申請を遡及させる場合は、開設許可証の日程調整が重要となってくるため、事前相談は欠かせないものとなります。また、保健所によっては、事業譲渡の契約書を求められるケースが多く、適正契約が必須となるため、弊所では契約時からのアドバイザリーも行うようにしています。

薬局で麻薬・覚せい剤は取り扱っていないか?

薬局で麻薬小売業免許を持っており、麻薬や覚せい剤を取り扱っている場合は、麻薬小売業免許についても、廃止+新規取得が必要となります。この場合、麻薬・覚せい剤は開設薬局に譲渡しそのまま使用することが多いかと思いますが、その場合は麻薬の所有届(現に何の薬を所有しているか)、譲渡届(開設薬局に譲渡する旨)等が必要になり、薬局保管の麻薬帳簿を保健所に提示し、突き合わせの作業が必要になります。

厚生局での保険薬局指定申請・施設基準の届け出

厚生局での保険薬局の指定申請を終えた後、すぐに施設基準の届出も新たに提出をし直す必要があります。こちらも期限があるので要注意です。保険薬局の指定申請には、薬局建物に係る使用権原書類を求められます。そのため、賃貸借契約のまき直しや使用承諾の書類押印等の使用権原を示す書類の手配が必要です。

薬局に係る行政手続きなら行政書士法人Deeへ

上述の通り、薬局に係る行政手続きは行政との調整が欠かせないものとなっています。弊所にお任せいただけたら、最小のご負担でスムーズな手続きとなることをお約束いたします。ぜひご相談をお待ちしています。

この記事を書いた人

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道原 信治(行政書士)

山口県宇部市出身、1986年生まれ。
公務員として勤務を経たのち、クリニック・病院特化のコンサルティング会社に参画。
その後、医療法人設立・分院開設など医療法人手続きを専門とする行政書士法人を設立、代表に就任。
現在では周辺分野である薬局開設・医薬品・医療機器などの許認可業務や、弁護士・会計士との提携のもとクリニックの事業承継・M&Aなどの分野にも活動の幅を広げている。