財団医療法人について

財団医療法人は、個人または法人が医療等の目的のために寄付された財産に対して法人格が与えられたものです。

財団医療法人の機関

財団社団法人には次の機関を置く必要があります。

評議員

評議員は寄付行為の定めるところによって選任された評議員会の構成員です。

財団医療法人の評議員とは、法人運営にかかる基本かつ重要事項の決定を行い、また理事や理事会を監督する役割を担う者です。評議員は、評議員会を構成し、重要な決議を行うとともに、執行機関である理事会に対する牽制機能を果たします。違反等があればその役員を解任することができます。評議員の人数は、3名以上必要です。

評議員会

評議員会は、評議員によって構成される会議体で、財団医療法人運営に係る諮問機関であり、意思決定機関であり、業務執行に対する監督機関です。評議員会は、理事定数を超える人数で組織することが求められているため、3人以上を置くことがふさわしいとされています。

理事

理事は、医療法人の業務を執行する機関です。医療法人には原則として理事を原則3人以上置かなければなりません。

  • 医療法人の常務を処理します。
  • 理事長に事故があるときは、理事長があらかじめ定めた順位に従い、理事長の職務を行います。

理事長

  • 医療法人を代表し、業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有します。(法第46条の6の2)
  • 医師又は歯科医師である理事のうちから選出します。
  • 複数の医療法人の理事長を兼務する事は不適当です。

理事会

理事会は、すべての理事によって構成される会議体であって医療法人の業務執行の決定を行う機関です。

監事

監事は、業務や財産状況の監査を行い、理事の業務執行を監督する機関です。

  • 監事の主な職務は、次のとおりです。(法第46条の8、第46条の8の2)
    ア 医療法人の業務を監査すること。
    イ 医療法人の財産の状況を監査すること。
    ウ 医療法人の業務又は財産の状況について、毎会計年度、監査報告書を作成し、
      当該会計年度終了後3か月以内に評議員会及び理事会に提出すること。
    エ 上記ア、イの監査の結果、不正の行為又は法令若しくは寄附行為に違反する重大な事実があることを発見したときは、都道府県知事又は評議員会又は理事会に報告すること。
    オ 上記エの報告をするために必要があるときは、理事長に対して評議員会の招集を請求すること。
    カ 理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。
  • 医療法人の理事、職員を兼ねることはできません(法第46条の5第8項) 。
    また、評議員を兼ねることもできません(法第46条の4第2項第3号)
  • 医療法人の理事の親族、当該医療法人と取引関係、顧問関係にある個人・法人の代表者の就任は適当ではありません。

医療法務の専門家として

医療法人の手続きは、専門的な知識と経験を必要とする複雑な作業です。私たちは、この領域のエキスパートとして、多くの医療法人の皆様をサポートしてきました。私たちにご相談いただけたなら、ご期待に添えることができるよう全力を尽くすことをお約束いたします。

この記事を書いた人

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道原 信治(行政書士)

山口県宇部市出身、1986年生まれ。
公務員として勤務を経たのち、クリニック・病院特化のコンサルティング会社に参画。
その後、医療法人設立・分院開設など医療法人手続きを専門とする行政書士法人を設立、代表に就任。
現在では周辺分野である薬局開設・医薬品・医療機器などの許認可業務や、弁護士・会計士との提携のもとクリニックの事業承継・M&Aなどの分野にも活動の幅を広げている。