医療法人の役員が競業及び利益相反取引を行う場合

医療法人を設立後は個人運営のときとは異なり、医療法人の理事は、競業及び利益相反行為を行う場合には理事会への報告義務に加え理事会の承認を得なければなりません。

義務について

理事は、次に掲げる場合には、理事会において、当該取引内容を報告し、承認を受けなければなりません。
また、取引をした理事は、当該取引後、遅滞なく、理事会に報告しなければなりません。

  1. 理事が自己又は第三者のために医療法人の競業取引をしようとするとき
  2. 理事が自己又は第三者のために医療法人と取引をしようとするとき
  3. 医療法人が理事が医療法人と当該理事との利益が相反する取引をしようとするとき

取引の例:医療法人の理事所有の不動産(土地・建物)を医療法人が賃借、医療法人の理事からの医療法人が資金借入れをし担保・利息が生じる等

損害が生じた場合

理事又は監事は、取引によって医療法人に損害が生じたときは、医療法人に対し、当該損害を賠償する責任を負うことになります。

根拠法令抜粋

第47条

社団たる医療法人の理事又は監事は、その任務を怠つたときは、当該医療法人に対し、これによつて生じた損害を賠償する責任を負う。
 社団たる医療法人の理事が第46条の6の4において読み替えて準用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第84条第1項の規定に違反して同項第1号の取引をしたときは、当該取引によつて理事又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。
 第46条の6の4において読み替えて準用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第84条第1項第2号又は第3号の取引によつて社団たる医療法人に損害が生じたときは、次に掲げる理事は、その任務を怠つたものと推定する。
 1 第46条の6の4において読み替えて準用する一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第84条第1項の理事
 2 社団たる医療法人が当該取引をすることを決定した理事
 3 当該取引に関する理事会の承認の決議に賛成した理事

引用元:医療法

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この記事を書いた人

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道原 信治(行政書士)

山口県宇部市出身、1986年生まれ。
国家公務員として勤務を経たのち、クリニック・病院特化のコンサルティング会社に参画。
その後、医療法人設立・分院開設など医療法人手続きを専門とする行政書士法人を設立、代表に就任。
現在では周辺分野である薬局開設・医薬品・医療機器などの許認可業務や、弁護士・会計士との提携のもとクリニックの事業承継・M&Aなどの分野にも活動の幅を広げている。