医療法人の意思決定機関について(社員総会・理事会)

社団医療法人には、医療法人の定款の規定に基づき、会議として社員総会と理事会の2つが設置されており、社員総会は、定時総会と臨時総会とに分けられます。一般的には、定時総会は毎年2回開催されることとなります。

社員総会

社団医療法人は、最高意思決定機関を社員総会とされています。

社員総会とは社員によって構成される合議体のことで、定款変更や理事長変更など重要な事項は社員総会で決定しなければなりません。

理事長は、少なくとも毎年2回、定時総会を開かなければなりません。また、理事長は必要があると認めるときは、いつでも臨時総会を招集することができます。社員は、出資持分の有無や額等に関わりなく、1人1個の議決権を有します。社員総会の議決を要する事項は、定款の規定に従うこととなります。

社員総会の議事については、議事録を作成し、議事録は社員総会の日から10年間、主たる事務所に備え置かなければなりません。

定時総会について

  • 社員総会を一般的に年2回開催します。
    (主として予算及び決算関係の意思決定を行います。)

臨時総会について

  • 理事長が必要と認めるときは、いつでも招集できます。
    ※理事長は、総社員の5分の1以上の社員から会議の目的である事項を示して臨時総会の招集を請求された場合には、請求のあった日から20日以内に、招集しなければなりません。
  • 監事は、医療法人の業務又は財産に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実を発見した場合、
    社員総会に報告するために社員総会を招集することができます。

議決事項

原則として、あらかじめ通知をした事項についてのみ議決できます(定款に別段の定めがあるときは、それに従います)。主な議決事項については下記のようなものがあります。

  • 定款の変更
  • 基本財産の設定及び処分(担保提供を含む。)
  • 毎事業年度の事業計画の決定又は変更
  • 収支予算及び決算の決定又は変更
  • 重要な資産の処分
  • 借入金額の最高限度額の決定
  • 社員の入社及び除名
  • 医療法人の解散
  • 他の医療法人との合併若しくは分割に係る契約の締結又は分割計画の決定
  • 理事及び監事の選任・解任

議決事項について特別の利害関係を有する社員は、当該事項について議決権を行使できません。

理事会

理事会はすべての理事で組織され、業務執行に関する事項等を決定します。定期的な開催は義務付けられていませんが、必要があれば開催は必要です。 理事会は、各理事が招集します。ただし、理事会を招集する理事を定款又は理事会で定めたときは、その理事が招集します。

理事会の議事については、議事録を作成し、議事録は理事会の日から10年間、主たる事務所に備え置かなければなりません。

議決事項

原則として、あらかじめ通知をした事項についてのみ議決できます(定款に別段の定めがあるときは、それに従います)。主な議決事項については下記のようなものがあります。

  • 医療法人の業務執行の決定
  • 理事の職務の執行の監督 
  • 理事長の選出・解職
  • 重要な資産の処分・譲受けの決定
  • 多額の借財の決定
  • 重要な役割を担う職員の選任・解任の決定
  • 従たる事務所その他の重要な組織の設置・変更・廃止の決定

議長は理事長とします。理事会の決議は、法令又は定款に別段の定めがある場合を除き、議決事項について
特別の利害関係を有する理事を除く理事の過半数が出席し、その過半数をもって行います。

尚、社員総会・理事会においては監事の出席が義務付けられています。

財団医療法人の場合

財団医療法人の意思決定機関については下記のようになります。

理事会

開催・招集の通知・議決事項等

理事会は、理事長が招集し、理事会を少なくとも年2回(予算理事会・決算理事会)開催します。

会議の開催手続、議決事項等については、法令等及び寄附行為の規定に従います。

議決事項

理事会の決議は、法令又は定款に別段の定めがある場合を除き、議決事項について
特別の利害関係を有する理事を除く理事の過半数が出席し、その過半数をもって行います。

主な議決事項については下記のようなものがあります。

  • 医療法人の業務執行の決定
  • 理事の職務の執行の監督 
  • 理事長の選出・解職
  • 重要な資産の処分・譲受けの決定
  • 多額の借財の決定
  • 重要な役割を担う職員の選任・解任の決定
  • 従たる事務所その他の重要な組織の設置・変更・廃止の決定

評議員会

医療法人の業務、財産の状況、役員の業務執行の状況について役員に対して意見を述べ、
その諮問に答え、役員から報告を徴することができます。

開催・招集の通知・議決事項等

評議員会は、理事長が招集し、総評議員の過半数の出席がなければ、議事を開き、議決することができません。
評議員会を一般的に年2回(予算理事会の前・決算理事会の前)開催します。
会議の開催手続、議決事項等については、法令等及び寄附行為の規定に従います。

議決事項

理事及び監事の選任・解任を決議します。

また、その他意見を聴かなければならない行為として下記のものがあります。

  • 寄付行為の変更
  • 基本財産の設定及び処分(担保提供を含む。)
  • 毎事業年度の事業計画の決定又は変更
  • 収支予算及び決算の決定又は変更 
  • 重要な資産の処分
  • 借入金額の最高限度の決定
  • 医療法人の解散

定款・寄付行為変更等の重要な変更決議に関しては法務局登記手続きや都道府県認可・届け出が発生するため、適性な決議と議事録の作成が必須です。社員総会・理事会に関しては専門家にご相談の上で進めることをお勧めします。

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この記事を書いた人

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道原 信治(行政書士)

山口県宇部市出身、1986年生まれ。
国家公務員として勤務を経たのち、クリニック・病院特化のコンサルティング会社に参画。
その後、医療法人設立・分院開設など医療法人手続きを専門とする行政書士法人を設立、代表に就任。
現在では周辺分野である薬局開設・医薬品・医療機器などの許認可業務や、弁護士・会計士との提携のもとクリニックの事業承継・M&Aなどの分野にも活動の幅を広げている。