医療法人の定款変更について

医療法人を設立する際、定款の作成が必要となります。また既存の医療法人の分院開設やその他重要な運営体制を変更する際には定款の変更が必要となります。そして株式会社等その他の会社とは異なり、医療法人の定款変更を行った際には法務局の登記だけではなく都道府県の認可が必要とされているのが大きな特徴と言えます。そのため、法律に基づき適切に作成・変更することが求められます。

医療法人の定款変更の決議について

医療法人の定款変更は、重要な決定であり、法律に定められた手続きに従って行わなければなりません。以下に主な手続きを説明します。

社員総会・理事会の決議

定款変更については、医療法人の社員総会・理事会での決議が必要です。決議は、議決事項に特別の利害関係を有する理事を除く社員・理事・監事が出席します。ただし、医療法または定款に別段の定めがある場合は、その定めに従います。

議事録の作成

決議がなされたら、その内容を議事録として文書化し、出席者全員が記名押印を行うことで決議内容を確認しま​す。法務局・都道府県双方の観点から適性な議事録の作成が必要です。実務上では法務局がOKを出す書類を都道府県が認めないということは少ないと言えますので法務局の見解は重要です。

都道府県の認可手続き

理事長変更や資産登記の場合は、法務局登記申請の後に都道府県に届け出を行いますが、定款変更の場合はその逆です。都道府県において認可申請を行い、約3か月の審査期間を経て認可書が交付されます。その後に法務局にて登記申請を行います。

診療所の開設手続き

分院開設での定款変更の場合、登記後の流れは新規設立時と同様です。保健所に開設手続き、厚生局に保険医療機関指定申請を行っていきます。

ご自分での手続きには注意が必要

定款変更手続きは法律に基づいて厳格に行われるため、専門家のサポートは欠かせません。過去に、ご自分たちで分院開設に係る定款変更申請したがうまく進まず、あきらめてご依頼いただいたケースがありました。ふたを開けてみると、変更決議も不備だらけ、予算書や事業計画書も全て作り直しで、過去の不備のある決議の修正決議から始めるなど、一般的な分院開設手続きより作業・費用が大きく増えてしまったクライアントもいらっしゃいました。

医療法務の専門家として

医療法人の手続きは、専門的な知識と経験を必要とする複雑な作業です。私たちは、この領域のエキスパートとして、多くの医療法人の皆様をサポートしてきました。私たちにご相談いただけたなら、ご期待に添えることができるよう全力を尽くすことをお約束いたします。

この記事を書いた人

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道原 信治(行政書士)

山口県宇部市出身、1986年生まれ。
国家公務員として勤務を経たのち、クリニック・病院特化のコンサルティング会社に参画。
その後、医療法人設立・分院開設など医療法人手続きを専門とする行政書士法人を設立、代表に就任。
現在では周辺分野である薬局開設・医薬品・医療機器などの許認可業務や、弁護士・会計士との提携のもとクリニックの事業承継・M&Aなどの分野にも活動の幅を広げている。