開業実績2年未満での医療法人化について

医療法人の設立認可にあたって、医療機関の開業実績は問われていません。

しかし、行政は、設立しようとする医療法人が開設する医療機関を長期安定的に経営することができるか否かを審査します。そのためには事業計画や予算書で法人成り後の事業安定性を示す必要があります。

開業実績2年未満での医療法人化は可能?

結論から言えば、自治体によっては可能です。良しとせずそもそも受け付けない県もありますが、東京都・埼玉県のように設立後2年間の事業計画及びこれに伴う予算書を提出することにより、開設する医療機関の安定した収支見込みを示すことができれば、開業実績2年未満での医療法人化は可能と言えます。

事業計画書や収支予算書の根拠書類について

この事業計画や予算書で計上した数値は合理的な根拠に基づくものである必要があります。それを裏付ける書類として本来は直近 2 年間の個人開設期の確定申告書の写しを添付します。

しかし、開設期間が開業実績2年未満の短期間のため、直近2年間ないしは1年分の確定申告書の写しを用意できない場合は、設立認可申請直前までの収支状況を示した「残高試算表」などを添付することにより、予算書等の数値を根拠を示していきます。

診療所の開設と同時に医療法人化することは可能か?

法律では医療法人の設立を認可するにあたって、医療機関の開業実績は問われていません。

しかし、問題となるのは事業計画や予算書で計上した数値は合理的な根拠の部分です。

医療機関の経営が長期安定的であるかを示すにあたり、個人開設の実績がない場合は、実績書類がないため、事業計画や予算書で計上した数値の根拠書類を有していません。

このケースの申請方法としては、推定診療圏と想定される範囲において標榜を予定する診療科目の一日あたりの受診人数等について市場調査「診療圏調査」を行い、設立後2年間の事業計画や予算書の裏付けとなる資料やデータを提出することとなります。この「診療圏調査」は業者に依頼することになりますが、その費用は高額であることが常です。

やはり開業実績があった方がスムーズ

申請書類の用意を簡略化するためにも、一定期間の個人開設後、医療法人化することをお勧めします。行政からもそうお話しされることは多くあります。

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この記事を書いた人

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道原 信治(行政書士)

山口県宇部市出身、1986年生まれ。
公務員として勤務を経たのち、クリニック・病院特化のコンサルティング会社に参画。
その後、医療法人設立・分院開設など医療法人手続きを専門とする行政書士法人を設立、代表に就任。
現在では周辺分野である薬局開設・医薬品・医療機器などの許認可業務や、弁護士・会計士との提携のもとクリニックの事業承継・M&Aなどの分野にも活動の幅を広げている。