医療法人の診療所の住所移転の手続きについて

医療法人の本院・分院等の診療所が古くなったり、または手狭になるなどで移転を検討することもあるでしょう。

しかし、医療法人の場合は住所移転といっても一筋縄では行きません。

一般的には、新規診療所の開設+旧診療所の廃止、と分院開設の作業に加えて診療所廃止手続きの行うため相当量のボリュームかつ複雑な手続きとなります。

定款変更が生じるため認可申請が必要

医療法人の診療所の移転による住所変更は、定款変更が生じます。そのため、都道府県の定款変更の認可申請が必要です。まずは新診療所の内容や移転に係る資金計画等について各社員に諮るため、適正な社員総会を実施します。

認可申請には事業計画書・収益及び支出計画書(予算書)・職員給与の内訳書も必要

医療法人の診療所の移転による住所変更とは言え、新たな場所で診療所を開設することになるため、分院開設手続きと同じように、事業計画書・収益及び支出計画書(予算書)・職員給与の内訳書を作成します。

新診療所の開設(移転)資金を用意できる旨の証明書類が必要

医療法人の定款変更申請には、新診療所の土地建物の謄本や賃貸借契約書などの使用権原書類の提出が必要です。また、社員総会の開催及び社員総会議事録・事業計画書・収益及び支出計画書(予算書)の作成にあたり、新診療所の開設にかかわる資金計画を策定します。

これは、新診療所の土地建物の取得費用や、開設に係る内装工事の契約書、新たな医療設備等の契約書・見積書などを用意し、開設(移転)資金に計上していきます。そして、定款変更申請時には、策定した資金計画の合計額以上の内部留保金の証明や、銀行からの融資契約書などが合わせて必要になります。

認可書交付後は、法務局登記、そして保健所開設許可が必要

晴れて認可書の交付がされた後、法務局登記の手続きを踏んだあと、登記反映後に保健所開設許可手続きを行います。

新旧診療所の家賃が発生しているケースなどでは、家賃を抑えるためにもこれらの手続きをスムーズに行う段取りは重要です。

開設許可後、保健所の立ち入り検査

保健所開設許可が無事に下りた後、急ぎ開設届の提出、旧診療所廃止手続とともに、保健所立ち入り検査の日程調整を行います。

保険医療機関指定申請は条件を満たせば遡及が可能

保険診療を行う場合、厚生局への保険医療機関申請を行います。医療機関コードは変更になります。

また、新旧診療所が2㎞以内、新旧診療所の廃止・許可の各日付が連続で同管理者等の要件を満たせば、保険の切れ目が無くなる遡及手続が可能です。

医療法人の手続きは行政書士法人Deeへ

上述した通り、医療法人の診療所の移転は、定款変更が入り、かなり複雑な手続きと言えます。加えて段取り良く行わないと家賃等の支出のデメリットもあり、移転予定が後ろ倒しになるほどスタッフの方々も不安を感じられることでしょう。もし、当事務所にご依頼いただけたなら、これらのご心配は一切不要です。最小のご負担で最短コースの手続きをお約束します。

医療法人の定款変更手続きなら行政書士法人Deeにぜひおまかせください。ご連絡をお待ちしております。

この記事を書いた人

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道原 信治(行政書士)

山口県宇部市出身、1986年生まれ。
公務員として勤務を経たのち、クリニック・病院特化のコンサルティング会社に参画。
その後、医療法人設立・分院開設など医療法人手続きを専門とする行政書士法人を設立、代表に就任。
現在では周辺分野である薬局開設・医薬品・医療機器などの許認可業務や、弁護士・会計士との提携のもとクリニックの事業承継・M&Aなどの分野にも活動の幅を広げている。