医療法人の設立後に厚生局に申請する手続きは、保険医療機関指定申請です。この申請は、医療機関コードを得て、保険診療(保険請求)を行うために必要な手続きとなります。
概要
医療法人の設立後、個人診療所を廃院して医療法人としての新しく診療所を開設します。そのため、個人診療所廃止手続と、法人の医療機関としての保健所への開設手続きと、厚生局への保険医療機関指定を改めて申請していきます。個人診療所で付与されていた医療機関コードは廃止され、新たに法人診療所の別の医療機関コードが発行されることとなります。
厚生局への保険医療機関指定申請は、月1回、受理されるまでに約1ヶ月かかります。
手続の内容
医療法人の設立後に厚生局に申請する手続きは、以下のとおりです。
申請書を提出
厚生局HPのダウンロード様式の申請書を使用します。
保険医療機関の指定日(保険診療開始可能日)は、原則として、指定申請をした翌月1日となっています。なお、毎月の締切日は、地域管轄によるため確認が必要で、詳細は各厚生局HPに掲載されています。
医療法人設立後の診療所の施設基準の届け出
また同時に、医療法人の診療所が施設基準の人員や設備を満たす旨の届出が必要となります。個人診療所で届け出ていた各種の施設基準届とともに提出します。
また該当があれば、特掲診療科等の届出も行います。
指定通知書の通知
地方社会保険医療協議会への諮問を経て、指定を行った場合、医療機関コードが記載された「指定通知書」を郵送にて届きます。あわせて、指定が行われた旨を事務所または指導監査課等の掲示板、及びHPにて掲載されます。
また、患者様への各種手続きのご案内上、一刻も早く医療機関コードを知りたいといったご要望は多くあることかと思います。その場合、地域により幅はありますが、申請当月20~25日には医療機関コードが発行されているため、厚生局に電話にて教えてもらう事も可能です。
指定期日の遡及の取扱いについて
保健医療機関申請には、指定日の遡及といって、過去に振り返って保険医療機関としての指定を受けることができる手続があります。次の場合は、例外的に、指定期日を遡及して指定を受けることができます。
- 保険医療機関等の開設者が変更になった場合で、前の開設者の変更と同時に引き続いて開設され、患者が引き続き診療を受けている場合。
- 保険医療機関等の開設者が「個人」から「法人組織」に、又は「法人組織」から「個人」に変更になった場合で、患者が引き続き診療を受けている場合。
- 保険医療機関が「病院」から「診療所」に、又は「診療所」から「病院」に組織変更になった場合で、患者が引き続き診療を受けている場合。
- 保険医療機関等が至近の距離に移転し同日付で新旧医療機関等を開設、廃止した場合で、患者が引き続き診療を受けている場合。
開設者変更の場合は、開設者死亡、病気等のため血族その他の者が引き続いて開設者となる場合、経営譲渡又は合併により、引き続いて開設者となる場合などを含みます。
また、至近の距離の移転として認める場合は、いわゆる患者が引き続き診療を受けることが通常想定されるような場合とし、移転先が2㎞以内の場合が原則となります。
医療法人成りのケースは一般的には遡及手続を行います。具体的には開設許可の下りた日である、保険医療機関指定申請の同月の1日、つまり1か月間遡及されることとなります。
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